第24章「三人の絆」

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それから半年。凛子、麗奈、咲の三人は、それぞれの道を歩んでいた。凛子は、キャリアカウンセラーとして、多くの女性を支援していた。麗奈は、離婚を経て、娘たちと新しい生活を始め、絵を描き続けていた。咲は、翻訳者として成功し、家族との関係も良好だった。三人は、今でも、定期的に栞のサロンで会っていた。ある日、栞が、三人に提案した。「皆さん。私、来月、福岡に引っ越すことになったんです」

三人は、驚いた。「えっ、栞さん、引っ越し……?」凛子が尋ねた。「ええ。福岡に住む母が体調を崩しまして。しばらく、母の面倒を見る必要があるんです」その言葉に、三人は、寂しさを感じた。栞は、三人にとって、メンターであり、心の支えだった。「でも、栞さんがいなくなったら……」麗奈が、不安そうに言った。栞は、優しく微笑んだ。「大丈夫です。皆さんは、もう、一人で歩けます。そして、皆さんには、仲間がいます」

栞は、三人を見渡した。「実は、お願いがあるんです。このサロンを、皆さんに引き継いでほしいんです」「私たちに……?」咲が驚いた。「ええ。凛子さんは、キャリアカウンセリング。麗奈さんは、セルフケアのワークショップ。咲さんは、AI活用の在宅ワーク講座。それぞれの得意分野で、困っている女性たちを、支援してほしいんです」栞の提案に、三人は、顔を見合わせた。「でも、私たち、そんな大それたこと……」

「いいえ。皆さんなら、できます。皆さんは、自分自身の痛みを知っています。だからこそ、他人の痛みにも、寄り添えるんです」栞の言葉に、三人は、心を動かされた。そして、三人は、栞の提案を受け入れることにした。新しいサロンの名前は、『Re:bloom』。再び、花開く。それは、三人の、そして、これから訪れるであろう多くの女性たちの、再生を象徴する名前だった。

栞が福岡に引っ越した後、三人は、『Re:bloom』を運営し始めた。最初は、不安だった。でも、次第に、多くの女性たちが訪れるようになった。ある女性は、夫婦関係に悩んでいた。凛子が、カウンセリングを行い、その女性は、涙を流しながら、「ありがとうございます。私、もう一度、頑張れそうです」と言った。ある女性は、SNSに疲れていた。麗奈が、「いいね」に頼らない自己肯定感の作り方を教え、その女性は、「麗奈さんのおかげで、楽になりました」と笑顔を見せた。

ある女性は、在宅で仕事を始めたいが、何から始めればいいか分からなかった。咲が、AI活用の翻訳講座を開き、その女性は、「咲さん、私も頑張ります!」と目を輝かせた。三人は、自分たちが、誰かの役に立っていることを、実感していた。そして、その実感が、三人自身を、さらに強くしていった。ある日、三人は、サロンのソファに座り、お茶を飲みながら、語り合った。

「私たち、ここまで来たわね」凛子が、しみじみと言った。「本当にね。あの頃の私たちからは、想像もできないわ」麗奈が、微笑んだ。「でも、ここまで来れたのは、一人じゃなかったからよね」咲が、二人を見つめた。「ええ。凛子さんと、麗奈さんがいたから。そして、栞さんがいたから」三人は、手を取り合った。その手は、もう、震えていなかった。確かな、温かい、強い絆でつながっていた。

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